おまけ



※こちらは長編小説『疫病神奇譚』のあとがき兼解説です。
最終回までのネタバレがありますので、閲覧の際はご注意ください。











 

 疫病神奇譚、無事完結しました。

 ここまで読んでいただいた皆様、本当にありがとうございます!

 今回も解説じみたおまけを作ってみたので興味のある方は見ていただけると嬉しいです。



 

【お話の解説】

 このお話ができたのは一つの落書きからでした。

 たまには和風のお話が書きたいな〜と思ってスケッチブックに落書きしたのが善光とユエだったんです。初期案では善光の方が神様でした。ユエも今とは真逆の性格をしており、どちらかというと『極彩色の感情論』のクロに近い感じの女の子でした。

それからお話を練っていくうちにキャラの性格が変わり、登場人物が増え、今回のお話になりました。

 

 お話のテーマは、「神様は作れる!」・・・・・・ってメモに書いてあったんですが一体どういうことなんだ過去の私!(笑)

 歴史の教科書とか見てみると、徳川家康とか菅原道真とか信仰によって人間から神様になった方って意外と多いんですよね。あと、聖徳太子とか本来実在しない人が伝記等で本当に生きていたかのように伝えられていたりと、歴史の流れって本当に面白いな〜と思っていました。

で、その歴史をお話の力で変えようとしたらどうなるんだろう。そしてお話の力で神様を作れたらどうなんだろうと思い、書いてみたのがこの疫病神のお話でした。どちらかといえば『物語の力』というのが正しいテーマかもしれないですね・・・・・・自分で言っててよくわからなくなってきた;

 

 裏テーマは『恋の病』です。善光の中で芽生えた恋心がユエに移っていく様を、疫が移っていく様子とリンクさせてみました。あれですよ、病気の神様が恋の病気にかかっちゃうとか、すごく美味しいじゃないですか!(力説)

 

 それではキャラ紹介!

 

【キャラ紹介】

●本間 善光(ほんま ぜんこう)・・・性別:男 年齢:二十五歳くらい (最終話では見た目二十八三十歳くらい)

 自作品では初の和風主人公ですね。十歳くらい年の離れた妹がいます。

 初期案では人間に憧れる神様でした。性格はほとんど変わりませんが、年齢がやや大人になりました(初期案では十二十五歳くらい)。あとお兄ちゃんらしく面倒見がよくなりました。

 名前は時代が平安〜鎌倉時代で考えていたのでそれに合った名前ということで、当時実在した武将・源頼光からもじってつけました。この頼光さん、武将として活躍した一方で土蜘蛛退治や酒呑童子という鬼の討伐などいくつかの説話になっていて、最終的に物語になる主人公の名前としてぴったりだな〜と思い、この名前を元にしました。

 ちなみに読み方なんですが、「ぜんこう」か「よしみつ」で散々迷った挙句、ユエが「ぜんこう!」って呼んだほうが可愛い気がする、ということで「ぜんこう」になりました。いいんですよユエが可愛けりゃなんでも!←

 物語的としては、善光はまさしく主人公ですね。彼がユエにあわなければ、ユエは楓の思惑通りに人知れず消えていたでしょう。善光が色々な人と出会い、意見を聞き、その度に迷いながらも、自分で道を選んでいきました。一人の人間として、今まで書いた中で一番主人公らしい主人公になったような気がします。

 ずっと前のコメントで「善光の恋心も必要不可欠」といっていたのですが、それは善光を通じてユエに恋心を芽生えさせるためです。ユエの善光に対する感情は、最後の別れの前まではただの好意で止まっていました。千鳥と同じ家族愛みたいなものですね。『別にそのままでもいいんじゃ・・・』と思うかもですが、それだときっとユエは善光に会うことにそれほど執着しないと思うんです。ということはそれだけ生きることに執着しないというわけで、もしかしたら梨恵がユエの神社を訪れる前に善光との再会を諦めて(もしくは約束すら忘れて)消えてしまったかも・・・・・・。だからこそ善光が恋心を抱いて最後に無理やりキスしてしまう必要があるのです!(誤解を招く言い方)

 長い間たくさん頑張った分、最終話後の善光はユエとずっと一緒に暮らしていくと思います。それがどんな生活になるのかは皆様の想像にお任せしますね。

 

○ユエ・・・性別:女 年齢:八十(見た目は十二歳、最終話では見た目二十五歳くらい)

 今まで書いた中では初のロリっ子! でも史上最年長というこの矛盾!

 作品中一番同一人物が多いキャラだったりします。オヤヒロ様+由縁⇒ユエ(+序章の梨絵が話していた相手)ですね。

 初期案では『極彩色の感情論』の初期クロみたいにもっとツンツン・・・・・・というかツンギレな人間の女の子でした。村の人間を恨んでおり、復讐するために神様(善光の初期案)に近づいて力を奪い、神様になる予定だったんです。なので見た目ももっと荒々しく怖い見た目でした。

 それから色々と改変があり、最初から神様になったり性格がコロコロと変わったりして、最終的に今のユエに落ち着きました。ちなみにこの性格や口調は昔考えていたお話のキャラから受け継いだものだったりします。

 名前の由来は当時愛読していたWeb小説の登場人物から名前をもじってつけました。そのお話の主人公も女の子なんですが、その子は素手で触ったものを腐らせる力があり、現在のユエの疫の元にもなったりしています。それから人間の頃の名前「由縁」も決まりました。そちらはまた由縁の項目でお話しますね。

 物語上の役割は成長する人であり、『赤ん坊』です。オヤヒロ様、由縁時代の記憶が若干残っているものの、ユエは生まれてから善光と出会うまでの八十年間、見た目も精神面もほとんど成長していません。本来のしつけ役というか保護者である千鳥がユエとあまり関わろうとしなかったのも原因ですね。なので過去に幼い楓を傷つけてしまった時も、心が育っていないため相手の気持ちを考える事ができず、よく分からずに笑っていました。

 それからユエは善光と出会い、一緒に過ごしていくうちに様々なことを学んでいきました。おかげで少しずつ心が発達していき、戸部に感じた恐怖や善光たちのケガを悲しむ気持ちを持てるようになったのです。さらにユエが善光に恋をしたことにより、十二歳で止まっていた体が女性として成長していきます。『女の子は恋をするとキレイになる』というやつですね。ユエが最終話あたりで大人の姿になっていたのは、そういう理由がありました。

 あと、ユエは他の登場人物からその人にとって大切な人に重ねて見られています。

 ざっと並べてみますと、千鳥→オヤヒロ様、楓→由縁、善光→妹(のちにユエ)・・・・・・ですね。そういえば戸部も最初は生き別れの妹と重ねて見ていました。

 善光以外はみんなそれぞれ大切な人のために頑張ったり色々してきたわけですが、それは大切な人のためであってユエのためではないんです。千鳥はあくまでもオヤヒロ様との約束のためにユエを見守り続けたし、楓も姉のためにユエを殺そうとしたわけで。本当にユエのためを思って行動したのは善光だけでした。なのでユエは、最終的に善光に好意を抱くようになりました。

 最後にどうしても書いておきたかったのが、ユエとオヤヒロ様+由縁の関係です。ユエは二人の記憶や力を引き継いでいますが、オヤヒロ様でも由縁でもない、全く別の存在です。オヤヒロ様と由縁という存在はユエが生まれた瞬間に亡くなっています。なのでユエの年齢は由縁の十二歳分を含めない八十歳なんです。(ここわかりづらかったら後で補足します・・・;)

 なので千鳥と楓がどれだけ待っていても、二人が帰ってくることはありません。あくまで作者の中での考えなんですが・・・・・・; そう言う意味ではこの四人(三人と一匹?)は不毛な関係ですね。

 

●天野 梨恵(あまの りえ)・・・性別:女 年齢:二十代前半

 この物語の影の功労者・梨恵です。彼女がいなければ二人の再会はありませんでした。

 初期案ではラストで生まれ変わった善光がユエを迎えに来る予定でしたが、善光が神様になった設定を追加したため代役を立てることになり、彼女が生まれました。最初は男にする予定だったのですが・・・・・・思い出してください。このお話、女性キャラが幼女か老婆しかいないんですよ!!(笑)

 『最終話でユエが大きくなったけど、それでもちょっと!!』という危機感を覚え、妙齢の女性キャラになりました。でもそのおかげで善光の神社の娘とか色々と設定が固まったので、結果オーライですね。

 物語の役割としては離れ離れになった善光たちをつなぐ中心、まさしく影の功労者ですね(他にも序盤のミステリアス要素、女性的な華やかさ要素も)

 本編ではほとんど書かれていませんでしたが、神社の娘である梨恵は神様となった善光と出会い、幼い頃から彼の昔話(もといユエの話)を聞かされ続けていました。神様になった善光は神社に縛られろくに出歩くことができず、ユエの神社の場所もわからない。その上本人も「今のユエの幸せを邪魔したくない」といって会いに行こうとしません。それでもユエが恋しい善光は梨絵に昔話のかたわら「ユエに会いたい」と何度もこぼしてました。そんな愚痴(泣き言)を聞かされ続ける梨恵はたまったものじゃありません; 

 そういうわけで、いい加減愚痴を聞くのに嫌気がさした梨恵は善光が書いたお話を勝手に拝借→製本し、ユエの情報を募りました。そしてユエの居場所が分かると、動けない善光にかわってユエを迎えに行くことになり、本編の冒頭へと続いていきます。この辺は後日番外編を書き下ろす予定なので、よかったら見てやってくださいね。本編ラストでは格好良く決めていた神様善光がすごくうじうじしています()

 ミステリアス要素としては序盤のシーンでしょうか。正直序盤のあのシーンはすごく大変でした; ミステリアス感を出しつつ、話している相手がユエだとバレないようにするのが難しくて、何度も書き直しました。その分、「梨絵が話していた相手がユエだと思わなくてびっくりした!」と感想を頂いた時はすごく嬉しかったです!

 ちなみに、梨恵の編み込みヘアは善光が編んでいました。そのへんも番外編で語る予定ですが、このお話では三つ編みが過去・現在・未来で絡んできます。過去(由縁)・現在(ユエ)・未来(梨恵)ですね。それぞれの時代によって三つ編みに意味が込められているので、もしよければそういった部分も注目していただければと思っています。

 

○千鳥(ちどり)・・・性別:男 年齢:不詳

 初期案にはいなかったのですが、ユエが神様としての記憶がほとんどない赤ん坊状態なので神様サイドから善光を揺さぶるキャラが欲しいと思い、千鳥が誕生しました。カラスになったのは昔考えていたお話の登場人物からリメイクしたキャラだからです。元のキャラも鳥の姿をした異形の神様でした。今回の作品は、作者が昔考えた作品のリメイクキャラが多いですね。

 作者的には今作中一押しのキャラです!

 名前の由来は、『御使いとして生まれた千羽目』ということで『千』を入れた名前にしたくてつけました。実はこの子、御使いの中では一番末っ子なんです。そこからユエ・オヤヒロ様から呼ばれる愛称として『セン』と呼ばれる設定が付け足されました。

 物語としての役割は、神様サイド(=オヤヒロ様)からの助言者・語り部です。ユエには記憶がありませんので、神様サイドの意見を言えるのは千鳥しかいません。

 彼にとって、人間は悪でした。

 人間の身勝手さによって信仰がなくなり、たくさんの仲間が消え、大切な主人を疫によってなくしました。正直、恨んでも恨みきれないくらいでしょうね。でも主人は人間が好きで、自分もそんな主人が大好きだった。それに自分には主人との約束がある。その想いを糧に、千鳥は幼くなった主に仕え、閉ざされた神社で静かに過ごしました。

 しかしそれは千鳥が思っていた以上に過酷なものでした。

 幼い主人は自身を生贄の娘の名をもじった「ユエ」と名乗る。主人の言わない言葉をしゃべり、主人とは違う表情を浮かべる。かと思えば、ふと見える面影に主の姿が重なり、それがまた最愛の主人がいないことを強く感じさせる。オヤヒロ様が消えてからの八十年間、千鳥はずっとそんな葛藤を繰り返していました。『もしかしたら主はもう、元には戻らないのかもしれない、でも、主との約束は守らなければならない。だが昔の主とは違う今の姿を見るのは辛い』・・・・・・そんな葛藤が千鳥を蝕んでいきます。しかもユエは、突然現れた人間の善光になついてしまいました。人間である善光を恨む反面、主の喜ぶ姿に千鳥は何もいえません。

 ユエを「主」と慕うわりによく神社から出ているのは、そういった主の姿を認めたくなかったからです。オヤヒロ様が恋しいあまり、ユエとは一線を引いていました。そのせいでユエはより善光を慕うようになったわけですけどね。

 それからのあの、千鳥の最期です。

 最後の最後、自分が死ぬ立場になって千鳥はようやくオヤヒロ様の死を認めることができました。ずっと守ってきた約束を捨て、本当の主の元にいける日が来たのです。善光というユエを任せていける人物がいたことが決定打でもありました。最終的にあのような終わり方になってしまいましたが、きっと千鳥は救われたのではないかなと個人的には思っています。

 ちなみにこの千鳥、プロット段階では人間の姿に化ける予定がありました。結局没になりましたが、カラスのお面を被った作品中一番の大男になる予定でした。

 

●楓(かえで)・・・性別:女 年齢:八十八歳(回想時は八歳)
 最初は本当にただのモブキャラでした。もちろん初期案にも登場していません。怖い話とかでよくある『ぐうぜん立ち寄った村で不気味な老婆が「あの場所に行ってはいかん。○○様の怒りをかえば祟り殺されるぞ」と忠告される』という定番のネタをやりたいがために作ったキャラでした(そして大概の主人公は忠告を聞かずにエライ目に会うという)。出番も最初のあの忠告シーンだけだったんです。

 それからお話を練っていくうちに「あれ、もしかしてこのおばあちゃん、ユエの過去と絡められるんじゃね?」と思い、ユエの過去・由縁の妹になりました。それがまさかここまで活躍するとは、そしてここまで好き好きプッシュされるキャラになるとは() とある読者様には善光とカップリング推しされるし・・・・・・(笑)

 名前の由来は「やっぱりおばあちゃんの名前といったら楓だろ!」という私の謎の思い込みから← 元がモブキャラでしたから名前もてきとうだったんです。

 物語上の役割としては、人間(=由縁)サイドからの助言者・語り部です。人間なのでより善光の立場に近い助言を与える人でした。神様サイドの助言者である千鳥と色々対比しています。

千鳥とは違って人間である楓には寿命があります。千鳥のようにずっとそばにいることはできないわけで、つまりもし自分がいなくなったあとにユエに何かあっても、彼女はどうすることもできないんです。

  母を早くに亡くした楓にとって、姉の由縁は母親がわりの存在でした。そんな姉の変わり果てた姿に胸を痛め、さらに疫を移された楓は絶望に叩き落されます。それでも楓は姉が大好きでしたので、どうにか由縁を救う方法を考えました。その方法が「ユエを殺す」ことでした。

かつて姉から聞いたオヤヒロ様の存在をつなげていくための物語を知る人物を少なくし、存在を消す選択を選びました。結果としてほぼ成功しましたが、それでもまだ姉を知る自分がいる限りユエは消えない。それから八十年、楓の余生は神社に入ろうとするものを牽制しながら自分が早く死ぬことを望むという、大変不毛なものになりました。しかも善光によってせっかく費やした八十年が全て無駄になってしまいました。正直やりきれない気持ちでいっぱいになったでしょうね。

 それでも楓は、三つ編みを結われ、善光を慕うユエの姿に少しだけ救われたのではないでしょうか。自分の世話や神社のために甘えを許されなかった姉が誰かに思い切り甘えている。妹の自分にはできなかった事を善光が代わりにしてあげていたのです。なので話を終えた楓は、最後に善光にむけて感謝の言葉を送ったのです。

 楓の人生はけっして幸福なものではなかったでしょうが、それでも最後の最後でほんの少しだけ報われたのではと思っています。

 本編では書いてませんが、善光がいなくなった後の楓は村人たちを導き、自分の代わりに神社を守る後継者を育てていく予定です。ただ死を待つだけだった自分の人生にやりがいを見つけることができたのも救いになったのではと思います。

○渡辺・・・性別:男  年齢:四十二歳

 この人も善光たちと同じく色々変わった人です。

 初期案では人間サイドとして神様の善光と仲良くなり、「神様やめて人間として生きていこうぜ!」と誘う人間でした。そして神様サイドの初期案ユエと真っ向から対峙し、村人たちと共ともに戦うことになっていました。つまり神社に村人を連れてきたのは戸部ではなく渡辺だったんです。

 それから善光の親友ポジションになり、善光の上司になりました。

 名前の由来は善光の名前の由来である源頼光に仕えていた家臣、渡辺綱より。戸部や臼井も同じく家来の名前からお借りしました。こちらの渡辺さんは鬼の腕を切り落としたという伝説が有名ななかなか勇ましい人です。ちなみに渡辺さんのご先祖が源氏物語の主人公・光源氏の実在モデルで、子孫の渡辺さんも美男子だったそうですよ。親友ポジションだった頃は平太という名前でした。

 物語での役割は、きっかけです。この人が善光にユエに別れを言うように促してから物語が進み始めました。また、この人が編纂組に善光を誘わなければユエと善光の出会いはありませんでした。ある意味二人の仲人的存在ですね。

元々善光の親友ポジションだったのでもっと活躍する予定だったのですが、戸部の活躍が増えたせいで渡辺の活躍がガッツリ減りました。すまん、渡辺←

 ちなみに登場している編纂組の中で、この人だけ既婚子持ち設定があったりします。

 

●臼井・・・性別:男  年齢:二十代後半〜三十代前半

 個人的には結構お気に入りキャラでした。

 初期案には登場しておらず、渡辺を親友から編纂組五番隊頭領にするにあたり、もうちょっと隊員が欲しいな〜と思ったときに戸部と一緒に誕生したキャラです。最初は戸部だけの予定でしたが、それだと隊内がギスギスしすぎるだろうと思い、それをフォローするキャラとして登場しました。出来ることならもう少し活躍させてあげたかった・・・・・・;

 名前の由来は渡辺や戸部と同じく源頼光に仕えていた家臣、碓井貞光よりもじってお借りしました。他の家臣の名前をつけようかとも思ったのですが、キャラ設定と名前の組み合わせが一番しっくりしたので。この人も十一面観世音菩薩の加護を受けて大蛇を退治したりと何かと伝説が残っております。

 物語上の役割は・・・・・・癒し?要員です()

 最初でちょっと話していますが、戸部と渡辺と善光だけではちょっと賑やかすぎる気がしたので、いい感じに雰囲気を柔らげてくれる人が欲しくて作りました。本編ではあまり目立たないキャラでしたが、個人的には本当に好きなタイプです。ただし今回みたいなシリアスなお話だと若干動かしづらいと言う・・・;

 

○戸部・・・性別:男 年齢:三十代前半

 どうしてここまで人気になったかわからない人、その2です()

 臼井と同じく初期案には登場しておらず、渡辺を五番隊頭領にするときに増員するキャラでした。最初はもっと三下ヤクザっぽい性格をしたイヤ〜なやつでしたが、なぜか初登場から異様に人気を頂いて「このままじゃ・・・・・・ダメだ!」と頭を抱えながらストーリーを練り直し、現在の戸部になりました。なので今回の更新停滞原因の6割くらいはこの人のせいです(残りは楓の過去回想)。戸部ぇ・・・・・・。

 名前の由来は前二人と同じく源頼光の家臣・卜部季武から。読みは『うらべ すえたけ』さんだそうです・・・・・・ああそうですよ全力で読み間違えたんですよそのまま名前にしちゃったんですよう!(;▽;) だって絶対うらべなんて読めないよこの苗字; ちなみに読み間違いに気づいたのは完結してからでした。

 刀ではなく弓の名手だったそうですね。今昔物語集や神楽の演目にも彼の伝説が残っていますので、興味をもたれた方は検索してみてくださいね!

 物語上の設定では主人公の鏡的存在、それと渡辺と同じきっかけを作る役でしょうか。善光と戸部は一見正反対に見えますが、妹がいたり、その妹の面影をユエに重ねてみたりと似ている部分も多くあります。ただ、善光の妹は今も都で幸せに過ごしているのですが、戸部の妹は幸せどころか生きているのかさえわかりません。そこが二人の決定的な違いですね。

 実はこのお話、下書き段階では善光の妹は病気で亡くなっている設定でした。傷心した善光が旅の途中で出会ったユエに妹の面影を重ね、親友(のちの渡辺)に「あれは疫病神だ。お前の妹はとっくに死んだんだよ!」と怒られるシーンが入る予定でした。結局それは没になったのですが、代わりに戸部の方に妹がいなくなった設定が追加されることになりました。そのため多少改変はしましたが、戸部は「妹がいなくなっていた場合の善光」でもあるんです。そのため戸部は、千鳥や楓よりもより善光の想いに寄り添った形の助言をしているんですね。

 きっかけの方は村人があの神社に行くきっかけを作る役でした。最初はもっと嫌な奴だったので、村人たちの先頭に立って「疫病神を退治してやるぞコラー!」みたいな感じで神社に乗り込んでいく予定だったのですが、改変したので村人たちに連れて行かれる形になりました。

 

●由縁・・・・・・性別:女 年齢:十二歳

 ユエと一緒にしようか迷ったのですが、色々と細かい設定があるのでこちらに。

 初期設定でユエの過去はほとんど欠かない予定でした。ですが楓をメインキャラ化するにあたりユエではなく「楓の姉」が登場する必要があったので急遽作ることになりました。そうしてできたのが由縁です。

 名前の由来はユエの方が先に決まったので、その名前の由来になりそうな言葉からつけました。意味もそのまま「由来、事の始まり」で、由縁時代からお話が始まったということでほぼ即決でしたね。

 物語上の役割は過去の象徴、人間側の始まりの人ですかね。由縁がオヤヒロ様と同化したことでユエが生まれ、善光と出会い、そして梨恵の時代までお話が続いてく・・・ということで。また、「物語を語り継ぐ」というこのお話の根本は由縁から始まっています。

 楓の回想で語られている過去編は、善光時代とリンクしている部分が多くあります。楓の髪を結ったりお話を聞かせたりの部分ですね。他にも楓とユエの出会い=善光とユエの出会いのシーンもそうです。

 本編では深く語っていませんでしたが、母親を亡くした由縁は幼いながらも妹の世話をする責任感の強いいい子です。自分がしっかりしなければ、という気持ちを強く持っているので、本編ではあのような結末を迎えることになりました。お姉ちゃん…。

 ちなみに、楓や他の誰かが選ばれたとしても、由縁は自分が生け贄になることを譲りません。彼女だけが事の真相をしっているので。

 

○オヤヒロ様…性別:女、年齢:不詳

 物語で一番古い神様であり後のユエと善光の前身にもなる神様です。出番は少ないですが、物語の中でもかなり重要な人物です。初期案ではこれよりもさらっと登場する予定でした。人となりとかも説明がなく、こんな神様がいたよ〜くらいに。それから千鳥が誕生し、キャラ付けを強めるために少しだけ登場シーンが増えました。

 物語上の役割は過去の象徴、神様サイドの始まりの人(神?)ですね。彼女が由縁と同化してユエが生まれ、善光たちと出会うことになりました。また人間に好意を持っている、千鳥とは真逆の考え方を持った神様サイドの見方を持った方ですね。

 本編でもちょこっと語られていましたが、オヤヒロ様は最初は名前もなかった神様でした。それが村人を助けたことにより人の信仰を受け、病を治すオヤヒロ様として崇められていきます。そうして力が強くなっていくうちに御使いも増え、千番目である千鳥も生まれました。

 元々オヤヒロ様には病を治す力はなく、病の下である疫を自分の体へ移しゆっくり時間をかけて浄化することで病をなくしていました。しかし村の人間たちはそんな事情は知らないため、ちょっとした風邪でもオヤヒロ様を頼り、疫がどんどん溜まっていきます。加えて、由縁たちの父親がせっせと病人をオヤヒロ様のもとへ連れて行ったのでさらに事態が悪化。オヤヒロ様は禍神になり疫病を撒き散らしてしまいました。

 ですがオヤヒロ様は村人たちを恨んではいません。土地神だったオヤヒロ様は村に暮らす人間も自分の子どものように思っていましたので。ただ、人間たちにいいようにつかわれる主をそばで見ていた千鳥は人間に対し不信感を募らせていくことになりました。

 由縁と同化する前、オヤヒロ様は千鳥に「自分が自分でなくなっても、主として仕えてくれる」よう約束をさせました。彼女にとっては何気ない、最後のわがままのつもりで言っていたのですが、この約束のせいでその後の千鳥が大変苦労をすることになりますね。それについては千鳥の項目でお話してますのでよろしければ。

 ちなみに、オヤヒロ様が最初に助けた村人が由縁たちの先祖だということは本編で書かれていますが、その関係で由縁の一族はオヤヒロ様の姿を見ることができます(父親が見れないのは彼が婿養子だからです)。ただしあまり姿を見るのは良くないとされたので、由縁と楓はオヤヒロ様のいる社に入ることを禁止されていました。

 

 

<終わりに>

 今回も短いようで長いお話を書かせていただきました。和風作品は私にとって初の作品なので言葉遣いや時代背景に服装と色々と設定を考えてフラフラになりました。前作菩提樹に比べ、完成させるのに・・・・・・半年?以上はかかってしまいましたが、その分前作よりかは凝った作品になって・・・・・・いればいいなあ。(願望)

 また次回作もバンバン書いていくので、よければまた読んでやってください!

 

 ではでは最後に、小説を書くきっかけをくれたTさん。

 疫病神奇譚制作にあたり色々とアドバイスをくれたSさん、Mさん。

 そして最後に、この作品を読んでくださったみなさん。

 本当にありがとうございました!

 また次のお話でお会いしましょう




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2014,10,20