* おまけ *
※こちらは長編小説『菩提樹』のあとがき兼解説です。 最終回までのネタバレがありますので、閲覧の際はご注意ください。 |
長編小説『菩提樹』、完結しました!ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました! 「読んでやるよ!」という方は、そのままスクロールをお願いいたします。 <お話の解説> ・『菩提樹』ができるまで このお話ができたきっかけは、昔ソーシャルゲームをしていた時に、チームのメンバーに金髪Vネックのアバターを見つけたことです。そのアバターは男性用のデザインでしたが、「こんな都会っ子で荒んだ女の子を主人公になにか書きたい!」と思い始め、お話を考え始めました。こう、都会の片隅でタバコをプカプカとふかしているような荒みきった子がいいなあと!← そこから最初に考えたのは、菩提樹の初期案でもある『宿り木』というお話でした。 《あらすじ》 『宿り木』というタイトルは「良太郎に依存する蒼空」という関係性から、他の木に寄生して宿主を枯らす宿り木からつけました。大体お察しかもしれないですが、ちょっと薄気味悪いお話です(笑) ・なぜ『菩提樹』というタイトルになったか ・・・・・・という冗談は置いといて(笑) 芸術系のお話に変更しよう! と決めた時に、芸術系ならどんな作品がいいかな〜と考える中、大樹に人の頭がのってるイメージ図が出てきました。でも残念ながら宿り木は寄生する木なので、大樹にはならないんですよね; なので他にイメージにあう植物を探していくうちに菩提樹にたどり着き、そのままタイトル名にもなりました。 もともとこんなに優しい感じのお話にする予定じゃなかったので、 「薄暗い中に生首の生えてる(※生えてません)大樹とがホラーじゃん! まいっか!」 なくらいで進めていました。 ちょうど当時読んでいた小説の書き方みたいな本に、『最初にインパクトのある場面もってくると、読者が世界観に引き寄せられてイイよ!』とかいてあったので、 「よっしゃ! 大樹に生首、ナイスインパクト!」 と、私がノリノリだったこともあります。
<キャラ解説> ●杉浦 良太郎・・・・・・男、20〜21歳くらい
都内の芸術大学に通う学生。実家は有名な茶道の名家・杉浦家だが、高校時代に緒方の描いた『遼遠』に出会い、油絵画家を目指し始める。が、家はもちろん大反対したため、単身上京して今の大学に通う。苦学生のため、まかないが出て時給もいい居酒屋「飛翔」でバイトをしていたところ、蒼空と出会った。 初期設定ではごついけど純で根は優しい青年でしたが、すっかりやさぐれてしまいました。あの親父のせいで・・・!(笑) 名前の由来はガタイがいいので男らしい名前を〜と考えつつ、いつもの通り直感です← 最終話では若いながらも一端の芸術家になりました。夢が叶った反面、自分が行ったことは蒼空を救えたのかとずっと悩んでいたので、最後に再会できたことでようやく報われました。 ○藤井 蒼空(ソラ)・・・・・・女、26歳位
良太郎と同じ居酒屋で働く女性。いつも甘い香りのするタバコ『ブラックデビル』を吸っている。 この人がいなきゃ何も始まらなかった、当作品のヒロインです。 名前の由来は最初良太郎は蒼空さんのことを男だと思っており、授業のデッサンでようやく気づく・・・という感じにしようとしていたので、男とも女とも取れそうな名前ということで。結局その案はなくなってしまいましたが、結構お気に入りな名前だったりします。 初期設定とほぼ変わってませんが、中身はだいぶ柔らかくなっています。あとなんか色気づいて大人の女性っぽくなった気も。 現在の蒼空さんになったのは猫/虫/Pの繰り/返し/一粒という曲を聴いてからです(2種類ありますが、個人的にはリンちゃんverのイメージです)。 ちなみに本編でもちらっと触れられていますが、失踪後はさやかとこっそりメールのやり取りをしていました。なので菩提樹を完成させ、緒方たちに負けを認めさせたことも知っています。 ●松田 優作・・・・・・男、20〜21歳
良太郎と同じ大学に通う友人であり、飛翔の常連。専門学科は造形。バイトで忙しい良太郎のためによくノートを見せて上げているいい奴。整った顔立ちと温和な性格で男女共に人気だが、怒るとものすごく怖い。良太郎や八木・中村とよくつるんでいる。 後半の『菩提樹』制作のために必要な人材と、良太郎側から背中を押してくれるようなキャラが欲しいと思い、作りました。主人公とは対照的に優男で保護者みたいなキャラですね。 松田にはモデルがいて、私がよく見ているTRPG動画に登場するキャラの一人です。紹介は省きますが、モデルのキャラもイケメンでした。
という脳内会話の末に生まれた設定です。 お話上の役割としては、主人公への助言者でしょうか。「お前は特別なんだよ」のくだりとか。あとはキャラが映えるように、良太郎とは正反対のキャラ設定にしています。正反対だけどよく似ていて、だからこそ近くで手助けや助言ができる、とか当時考えていたかもしれません。 ○東雲 さやか・・・・・・女、20〜21歳くらい
良太郎の幼馴染で、茶道の名家・東雲家の一人娘。箱入りのため若干考え方が古風で、ヌードデッサンのモデルをしていた蒼空に「はしたないです!」と怒っていた。 名前の由来は茶道の家元のお嬢様ということで、カワイイよりも凛とした爽やかな名前がいいなと思いつけました。 さやかは蒼空さんとは対照的なキャラに設定しています。簡単にいうと、良太郎⇔松田、蒼空⇔さやかといった感じですね。正反対だけど仲がいいみたいなのが好きなので、よく設定として使います。
●緒方 貴弘・・・・・・男、30歳前後
良太郎の大学のOBであり、良太郎が画家を目指すきっかけとなった、世界で活躍する油絵画家。学生時代に蒼空をモデルとして描いた『遼遠』でデビューした。 大人気ない代表その1であり、こんなに活躍する予定じゃなかった人その1です。 名前の由来は、例のごとく「なんか緒方って感じだな〜」から付けられました。 先にも書いたように、最初はそんなに出番のあるキャラではありませんでした。どころか、お話中に名前がチョロっと出る位の登場予定しかなかったです。 良太郎はありのままの魅力をそのまま引き出す芸術で描いてますが、緒方は自分の手でより魅力的に仕立てあげる(ただし本人の意向とは無関係に)芸術といったところでしょうか。どちらも正しいかも悪いかも言い難い、自分でも書いていて難しい問題です。そんな互いに引けない状況の中で、主人公である良太郎がどう成長し、乗り越えていくか・・・・・・その成長のためにも、緒方さんという大ボスを倒さなくてはいけません。 最後に良太郎に負けた緒方さんをどうしようか迷いましたが、そのまま落ちぶれちゃうのはつまらないし、なにより緒方ならこのまま落ちぶれそうにないな〜と思ったので(笑)、そのままライバル画家として活躍してもらうことになりました。 『菩提樹』の一件後もちょくちょく良太郎にちょっかいを出しに行ってたら面白いですね。 ○教授・・・・・・男、50〜60歳くらい
良太郎たちのゼミの担任。学生時代の蒼空と緒方の担任でもあり、当時お金に困っていた蒼空にデッサンモデルのアルバイトを紹介した。そのせいで青空が傷心したことを今でも後悔している。 こんなに活躍する予定じゃなかった人その2。完全にモブキャラのつもりで書いていたので、名前すらありません。 予定では序盤にちょっと顔を出す程度の出番予定だったのですが、緒方=悪役設定にしてからは、第三者視点での昔話を聞かせる人がほしいと思ったので再登場。あといい大人2人が大人気なく若造を叩き潰しにかかってるので、大人の立場から良太郎に道を教える人がいてもいいのでは? ということで大抜擢です! おかげで中村と八木の出番が減りました← 物語上の役割としては、良太郎に過去の出来事を伝えて道を諭すのと、良太郎を通してテーマを読者に投げかける存在だったりします。例の「芸術とはなにか?」ですね。 ●中村・八木・・・共に男・20〜21歳
良太郎の友人。中村は背が低く太めの体型、八木はやせ型で出っ歯が特徴。二人とも建物など建築の設計を専攻している。八木の方は良太郎たちのことをあだ名で呼んでいる。 面倒なので二人まとめて←扱いひどい 名前の由来もいつもの如く直感でした。ただ、八木の場合は二話冒頭あたりで中村に苗字を叫ばれるシーンを書く予定だったので、考えた中でも一番しっくりきた「八木いいいいいいいい・・・・・・!」になりました。(お話の関係で没になりましたが・・・・・・;) 物語上の役割は『菩提樹』制作のお助けキャラと、場を和ませるためのギャグ要因です。おかげでシリアスシーンではほぼ完全に空気と化しています。 ○杉浦 泰三・・・・・・男、50〜60歳位
良太郎の父であり、茶道の名家・杉浦家の当主。自身の家柄に絶対的な自身 大人気ない大人代表その2であり、こんなに活躍する予定じゃなかった人その3です。 最初は緒方さんと同じく、名前だけの登場予定でした。それが緒方さんを悪役にする過程で『あれ、もしかしてこの2人、タッグ組んだらさらに立ち悪くなるんじゃね?』と思いついたことをきっかけに、ボス的存在として昇格しました。おめでとう、親父!← 物語上の役割は、良太郎にとって先送りにしていた問題(=過去)であり、良太郎が成長するには欠かせない乗り越えるべき壁でした。ですが、緒方さんがラスボス的存在になったことにより若干扱いが小物になってしまいましたね; 最終的に息子の才能は認めたものの、多分ずっと心の中ではやきもきしてるんじゃないかなあと思います。まあでも、良太郎とは本音をぶつけ合えたので、ちょっとずつでも親子関係が修復されていったらいいですね。 ●東雲 優太・・・・・・男、3〜5歳くらい?
松田とさやかの子ども。家族三人で良太郎の展覧会に出かけていき、『菩提樹』の展示室で迷子になる。そこで蒼空と出会い、CDを託された。 元々序盤の『森の中で迷子になった子どもが、生首の置いてある大樹を見つける』というシチュエーションを考えていて、特に誰の子ども〜とかは考えていませんでした。ただ、それだと後半でどうフラグ回収したらいいのか散々悩み、結果的に二人の子ども、という結論で落ち着きました。悩んでたときは「もう、面倒だからちっちゃい頃の良太郎とかでいいんじゃない!?」とか血迷ったことを考えてました。どうやってフラグ回収するつもりだったんだ自分 物語上の役割としては、このお話一番の『謎』として読者の気を引く存在でした。気づいたら真っ暗な森の中にいて、そこに妖しい雰囲気のお姉さんと出会い、人間の生首が乗った大樹を見つける・・・・・・ここだけ見るとどんなホラーだって感じですね; 個人的にはもうちょっと彼のキャラを引き出してあげられたらな〜と後悔しております。もっと私に力があれば・・・・・・! 最終話付近では両親に蒼空の存在を知らせると同時に、読者にも良太郎との再会を示唆する存在として活躍しています。 たぶんこれから生まれてくる妹も、もれなく蒼空ファンになると思います。 <終わりに> 元々このお話は、完成させる予定のないものでした。当時の仕事が忙しすぎて、執筆する余裕がなかったことが原因です。ですがこのたびの退職を機になにか新しいことに挑戦してみようと思い、とある新人賞に投稿してみることにしました。 そして、数々のネタの中から選ばれたのが、この『菩提樹』です。 ネタストックの中からこの作品を書く事に決め、約2ヶ月間、プロットから叩き直して書きました。自分の小説を投稿用に書くのは初めてだったので粗も多く、無論、残念な結果になりました。 ですが、私としてはまず書ききったことですでに満足していたので、特に深く悲しむといったことはありませんでした。またサイトで皆さんに読んでいただくことが出来てすごく嬉しいです。 これからもまた、どんどん作品を作っていきたいと思っているので、よかったら見てやってください! ではでは最後に、私に小説を書くきっかけをくれた友人Aちゃん。 菩提樹制作にあたり、いろいろアドバイスしてくれた友人Sさん、Yさん。 そして最後に、お話を読んでくださった皆さん! 本当にありがとうございました! また次のお話でお会いしましょう(*´▽`*)ノシ 以上、白乙でした! |